子供のスポーツ教育は親・コーチの関わり方次第で良くも悪くもなる!

子供にスポーツを通して何かを学んでほしいと思う人は、少なくありません。

しかし、ただやみくもに子供にスポーツをやらせても親・コーチの関わり次第では、子供のスポーツ経験は将来に良くも悪くも影響するかもしれません。

子供がスポーツを楽しんだ先に得るものがかけがえのないものほど良いスポーツ教育であるといえるのではないでしょうか。

本記事では、子供のスポーツ教育をよくするためにコーチ・親は何をしたら良いのかについて詳しく解説します。

子供のスポーツ教育で最も重要なのは親やコーチの関わり方

子供のスポーツ教育で最も重要なのは親やコーチの関わり方です。

なぜならば、親やコーチの関わり方で子供に良くも悪くも大きく影響するためです。

例えば、モチベーションのレベルは、親の支配的な関わり方やコーチの勝利至上主義による関わり方で低くなってしまいます。

飴と鞭という言葉がありますが、親やコーチの命令・叱咤激励は子供のモチベーションを一時的に上げることはできますが、長期的なスパンではモチベーションを継続することにはつながりません。

これは、心理学的にも科学的に証明されていることです。

これだけではなく、ハラスメントに至ってしまう原因は、親やコーチの叱咤激励の行いすぎで起こります。

子供のスポーツにおける叱咤激励はハラスメントを招く

子供のスポーツにおける叱咤激励はハラスメントを招く可能性があります。

なぜならば、叱咤激励をしすぎると子供はそれが当たり前の状態になってしまいさらに強い叱咤激励がないとモチベーションがあがらなくなってしまうためです。

それが繰り返されるうちに子供がスポーツでうまくいかないことに対して親・コーチがハラスメント行為を行ってしまいます。

また、一度ハラスメント行為を行った親・コーチはハラスメントを行わなければ子供が言うことを聞かなくなるという負の連鎖に陥ってしまいます。

つまり、親として、コーチとして、スポーツを行うすべての子供に対してスポーツ教育を行う上で適切な行動をとる必要があるのです。

体罰・しつけが子供に与える影響については下記の記事を参考にしてください。

コーチが子供のスポーツ教育をうまく行うためのPATROL

コーチが子供にスポーツ教育をうまく行うためにはPATROL1) という方法があります。

PATROLとは下記の頭文字をとっています。

  • Process:「結果ではなくプロセスを重視する」
  • Acknowledgment:「承認する」
  • Together:「一緒に楽しみ、一緒に考える」
  • Respect:「尊敬する・尊重する」
  • Observation:「よく観察する」
  • Listening:「話をよく聴く」

このPATROLは、公認スポーツ指導者で定められた「理想のコーチ像」になるための関わり方です。

コーチがスポーツ教育を子供に行うときの関わり方①Process

コーチが子供にスポーツ教育を行うための関わり方としてProcessがあります。

Processでは、結果ではなくプロセスを重要視します。

良い結果でも悪い結果でも結果に対する努力や行動があるはずであり、それをコーチが子供と一緒に考えてあげることで、子供の自立を促すことができます。

コーチがスポーツ教育を子供に行うときの関わり方②Acknowledgment

コーチが子供にスポーツ教育を行うときの関わり方の2つ目としてAcknowledgmentがあります。

Acknowledgmentとは、承認することを指します。

子供に限らずすべての人には承認欲求があり、人から認められるだけで励みになります。

励みになれば、モチベーションも高まり難しい試合であっても挑戦する心を養うことができます

子供の意志を尊重して子供の行動や言動を承認することが重要です。

コーチがスポーツ教育を子供に行うときの関わり方③Together

Togetherはコーチが子供と一緒に楽しみ一緒に考えるという関わり方です。

指導者が子供と一緒にスポーツを楽しみ、時には難しいことでも一緒に考えることで、選手に寄り添うことができるため信頼関係を築くことができます。

この信頼関係は、子供にスポーツ指導をする際に大きな影響を及ぼします。

コーチがスポーツ教育を子供に行うときの関わり方④Respect

Respectとは、スポーツに限らずすべての人に対して尊敬や尊重の念を抱くことです。

それがたとえ子供であっても、年齢や性別に関係なく尊重することで、信頼関係の構築だけではなく、子供がスポーツを通して個性を身につけることができます。

コーチがスポーツ教育を子供に行うときの関わり方⑤Observation

コーチが子供にスポーツを指導するには、Observationが欠かせません。

Observationとは、観察することです。

観察することは、技術指導においても非常に重要なことですが、選手の心理的な面もよく観察することで選手がチームにおいて安心感を持つことができます。

普段と違う行動をしている選手がいたら、よく話をきいてみてください。

良い事でも悪い事でも話を聞いてあげてそれを承認して一緒に考えてあげることが大切なのです。

コーチがスポーツ教育を子供に行うときの関わり方⑥Listening

Listeningは子供にスポーツコーチングを行う上ではかならず必要です。

Listeningとは、子供の話をよく聴くということです。

コーチの一方的な要求だけを押し付けてしまっては、子供がコーチの顔色を見てプレーをするようになってしまいます。

これはコーチが子供を支配する関係になってしまい、好ましくありません。

「コーチがなってほしいプレイヤー」ではなく、「子供がなりたいプレイヤー」を尊重しましょう。

これらのPATROLは、アスリートセンタード・コーチングという基本的なスポーツコーチの考え方です。

よければ下記の記事も参考にしてみてください。

親が子供のスポーツ教育をうまく行うためのスポーツ・ペアレンティング

親が子供のスポーツ教育をうまく行うためには、スポーツ・ペアレンティングという方法があります。

スポーツ・ペアレンティングとは、スポーツをする子供の親による関わり方2) です。

このスポーツ・ペアレンティングは、子供の健全な育成を行う方法で、子供と親の意見をやり取りするようなやり方や、子供に選択肢を与えて自分自身で選択をさせるようなスタイルが理想的であると報告されています3) 。

一方で、子供への要求ばかりして親の意見を通しすぎるようなスタイルは支配的なスタイルとされていて、子供の不健全な育成につながってしまうことも報告されています。

つまり、スポーツを通して親が子供に健全な育成を促すための方法がスポーツ・ペアレンティングなのです。

しかしながら、2017年の藤後他3) の研究の中では、プログラム自体が開発中であることが報告されていて、スポーツ・ペアレンティングの方法が確立されているわけではありません。

しかし、子育てコーチングという言葉もあるようにスポーツ現場でのコーチはスポーツコーチで家庭内の子供のコーチは親であるという考え方もあるでしょう。

そのため、親自身も子供のスポーツ経験に限らず、PATROLすることは有効な手段でしょう。

PATROLは親が子供に健全な教育を促す上では欠かせない方法です。

アメリカのIMGアカデミーはプロアスリート育成の学校で、親に対する教育も行っています。

IMGアカデミーでは、親の子供に対する影響の大きさについて認識しているためです。

スポーツコーチは、スポーツ現場において関わりを持つことは多いですが、親は家庭にいる多くの時間を子供とともに過ごします。

そのため、親の子供に対する影響は大きいのです、

弊団体でもアメリカのスポーツコーチライセンス取得カリキュラムの一部であるPCAをベースに保護者向けのセミナーも行っています。

アメリカのPCAでは、「勝利と人間的成長の両立を促すコーチング」の普及をしています。

興味がございましたらお気軽に下記の問い合わせ先までご連絡ください。

https://www.sports-coach.jp/seminarworkshop

まとめ

子供のスポーツ教育で最も重要なのは親・コーチの関わり方です。

例えば、子供のスポーツにおける叱咤激励、いわゆる飴と鞭は長い目で見るとハラスメントを引き起こす可能性が高いです。

コーチが子供のスポーツ教育をうまく行うためには、PATROLという方法があります。

この方法は、親が家庭で子供と接する上でも有効な方法であるため、子供にスポーツ教育を行って健全な成長を促したい親やスポーツコーチの方々は参考にしてみてはいかがでしょうか。

参考引用文献

1) 公益財団法人日本体育協会(2012)21世紀のスポーツ指導者―望ましいスポーツ指導者とは―

2) Holt, N. L., Tamminen, K. A., Black, D. E., Mandigo, J. L., & Fox, K. R. (2009). Youth sport parenting style and practices. Journal of Sport & Exercise Psychology, 31(1), 37-59.

3) 藤後悦子,川田裕次郎,井梅由美子,大橋恵(2017).小学生の地域スポーツに関わる親のスポーツ・ペアレンティング コミュニティ心理学研究, 21: 80-95.

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ABOUTこの記事をかいた人

東海大学体育学部競技スポーツ学科卒(2015) 東海大学大学院体育学研究科修了(2017) 専門はスポーツ心理学で主にメンタルトレーニングの研究と実践に携わる 経歴は、大学生弓道部(5年)中学生野球部(2年) 大学生弓道部は全国ベスト8位3回 16位1回を経験 大学院修了後はフリーランスとしてウェブライター兼メンタルトレーニングアドバイザーとして活動