子どもが主体的にプレーできるより良い野球チームを目指して~矢田部義行さん~

コーチングステーションメルマガ

NPO法人スポーツコーチング・イニシアチブでは、DOUSHI~これからのスポーツ教育の話をしよう~というコミュニティを運営しています。

このコミュニティとコーチング・ステーションのコラボ企画として、オープンインタビューという企画があります。この記事では、オープンインタビュー企画第三弾として、エンジョイベースボール春日部の矢田部義行さんをゲストにお迎えして、子どもの成長に必要な野球指導者としての学びについてお伺いしました。

成功体験の積み重ねが野球の醍醐味だった幼少期

河野

さっそくですが、今回、野球ということで。矢田部さんご自身の野球経験というのをお伺いしてよろしいですか?

 

矢田部

私は、小学校5年生から始めました。学童の野球で、今はたぶんないと思うんですけど、冬は寒いからサッカーをやって、夏になると野球をやるという小学校だったんですね。そこから始めて、中学校・高校と野球をずっと続けてきました。

 

河野

なるほど。その当時、なんで野球が面白いなと思ったとかってあるんですか?ちなみに私は空手が専門なんです。

空手自体が面白いと思ったわけではなくて、入ったきっかけは道場に行った時に先輩のお兄さんとかお姉さんが遊んでくれて、それがすごく楽しくて入ったっていう感じだったんですけど、ご自身が野球を始めるにあたって何かきっかけとかってあったんですか?

 

矢田部

「5年生になったらみんなやらなくちゃいけないよ」みたいに言われたんで。それで、チームに入ってやっていました。

 

河野

そうですよね、競技を始めるときってそんなに重くとらえてないですよね、子どものときって。不意に入った野球だと思いますが、そのなかで、中学生に上がったり高校に上がっていくと、野球自体の面白さ。

例えば、僕は空手だったんですけども、友達が野球を始めたりとか、サッカーを始めていくってなったときに、「空手の面白さってなんだろうな」というのを幼いながら確認をする時間がありました。

そういったのもふまえて、野球を通して「ここが面白いなあ」と思ったポイントってありますか?

 

矢田部

野球はやっぱり、「投げる・取る・打つ・走る」ってあるんですけど、試合で打てたとか、ちゃんとエラーしないでボールが取れたとか。そういう成功例ができてくると、やっぱり面白いなと思いますね。

ずっと練習してきて失敗ばかりでしたけど、試合に出させてもらって、結果が出ることがやっぱり楽しいなという思い出がありますね。

 

河野

野球だからこそというより、スポーツを通じて、成功体験をつめるというところが、面白いところですよね。先日も、スポーツコーチング・イニシアチブのほうで、「スポーツの魅力ってなんだろう」というところで話をしたりしてたんです。

その中で、比較的簡単に成功体験をつめるということ。あとは、「勝つか負けるか」という、ひとつの基準があるのでわかりやすいということがありました。

そういったところでやっぱり勉強よりもわかりやすく成功体験を積めるというのがスポーツの良さなんじゃないかという意見も出たのもあって、すごく納得のいく話でした。ありがとうございます。

 

後藤

ちなみに、矢田部さん自身の選手時代の体験のなかで、一番印象的だった成功体験ってありますか?

 

矢田部

成功体験。スリーベース取ったときですかね。「やったー!」って感じで。達成感がありましたね。

 

「こわい」コーチや監督に感じた疑問

河野

ご自身は小中高と野球やっていて。こういう監督に憧れたとか、こういうコーチに出会ったとか、自分が今コーチ業をするにあたって、基準というか、真似したいと思っている方っていらっしゃいますか?

 

矢田部

他もそうなんでしょうけど、やっぱり野球ってみんなこわい先生でしたよね。なので、憧れとかは特になくて「やっぱり監督とかコーチって、こわい人なんだなあ」っていうイメージが、私の時代はありました。

優しいとか、いい言葉をかけてもらったという記憶はないですね。

 

河野

そうですよね、コーチ・監督といえば「こわい」というイメージ。何か強い力を持っていて、選手を束ねるというようなイメージがあるんじゃないかな。

では、そこからご自身で野球経験から、コーチとしての話に行くんですけど、「ご自身が高校まで野球を経験されて、その後、なんでコーチをするというところに行き着いたのか」というお話を伺いしたいなと思います。

 

矢田部

きっかけというのは、上の子ども(矢田部さんんご自身のお子さん)が野球を始めたので、「(コーチを)ちょっと手伝ってくれよ」ということで、コーチを始めさせてもらったんです。自分の子どもがいるコーチが、だいたい6年生になると監督になるんですね。そういう伝統がありました。

私が監督になったときに、「監督って何やるのかな」「どう教えればいいのか」「チームをどうまとめればいいのか」というのがまったくわからなくて、代表に相談したり、いろんな方の話をしたんです。

でもちょっと納得がいかないことも多くて、うちの息子のときに監督をやったときはやっぱり「怒る監督」でしたね。「こわい監督」とか。今考えると最低ですね。

 

河野

今、話を聞いているなかで、監督の基準というところで、ご自身の経験から「監督って何だろう」ってなったときに、自分が野球をやっていたときの監督の話が影響しているということですが、そこはかぶっているものがあるんですね。

なんかそれって、例えばやっているなかで疑問とかってあったんですか?自分の指導に対してというか。

 

矢田部

うーん。やっぱり、既存指導者の指導方法に疑問を持っていたり、当時結果を出しているチームって怒声罵声で子供たちに指導していたり、長時間練習していることが多いじゃじゃないですか。

そうすると、それってかわいそうだよね。「本当にこんなんでいいのかな」って思っていた部分があって。ずっと、どうすればいいのかなということを探してはいたんですよね。

 

河野

自分が教えてもらっていたコーチとか監督の教え方って「あれって本当に正しかったのかな」とか、自分が教えていくうえで、「これで大丈夫なのか」っていうところで疑問を持たれたということですかね。

 

矢田部

そうですね。それと、周りに教えている方もいるので、この人たちの真似をしていてもよくならないよね、とは思いましたね。

 

河野

そこがひとつの大きなきっかけなんでしょうかね。普通、それで「これだからしょうがないでしょ」と思ったり、あとは「それで成長しない子どもたちが悪いんだよね」とか思うじゃないですか。

そういう風にいく方が多いなかで、そこが一つ、矢田部さんのすごいところかなと思いました。そこから実際にどのような活動をされたとか、どのような勉強をしたとかっていうのを教えていただけますか?

 

矢田部

はじめはやっぱり、技術的な部分のほうが入りやすいので、「どう投げる」とか「どう打つ」とか、そういった部分を学んでいくんです。でも学んでいくうちに、そこで仲間ができたりすると、チーム状況とかいろんな話を聞けたりもするんですね。

そうなってくると、「なんであの人、怒鳴ってるんだろう」とか「あそこのチームはいっぱいいるけど、全然怒鳴ってないチームだよね」とか「強いけど、怒鳴ってるから強いのかな」とか思ったりしたんです。

他のチームの状況がいろいろと聞こえてくる中で、なんとなくもっと勉強したいな、もっと知りたいなということで、いろんなイベントとか、そういった話のあるところに参加して話を聞いて、自分で色々なワークショップなんかに行くようになったと思います。

 

河野

とにかく、いろんなものを見たり、新しい場所に行ってみて、そこでの経験を積んで、生かしていくということですね。ちなみに、そのなかでも「このコーチすごいな」とか「この試合いいな」とか、そういうのがあったらぜひ教えていただきたいなと思います。

 

矢田部

今回チーム(エンジョイベースボール春日部)を新しく立ち上げようというきっかけになったのは、2年か3年ぐらい前なんですけど、年に1回、埼玉で開催される野球フェスで、茨城の筑波にある春日学園の岡本代表が話をしていたときのことです。

「今の既存のチームを変えるんだったら、自分で(チームを)起こしちゃったほうが早いよ」という話を聞いて、「ああ、これだ!」となんとなく思ってしまったんですよね。起こしちゃったほうが早いやって。

それで、一応、春日学園さんがどんなことをやっているのか1回見させていただいて、「ああ、この方法ならいけるかもしれない。できる、僕にもできるかもしれない」と思わされたことが大きいですね。それが立ち上げるきっかけになりました。

 

野球業界の慣習を崩したチーム理念を掲げる意義とは?

後藤

今のチームでどんなことを大切にしてるのかとかをもうちょっと詳しくお聞きしたいなとは思っています。

 

矢田部

今、大切にしてるというか。やっぱり、野球の人口が減っていることにもいろいろ要因はあると思うんですけど。その要因をなるべく省こうということで、チーム理念をつくりました。

まず、お茶当番とかはまったくなしで父母会とかも作りません。それと、怒声・罵声の指導は禁止。

それと、これは春日さんから学んだんですけど、練習時間は週末4分の1だけで日中ずっとはやらないよ、ということ。それと、指導者は常にアップデートしてほしいので、学び続けるものということをチーム理念として、今回チームを立ち上げさせていただきました。

 

後藤

ありがとうございます。ちなみに、そのお茶当番をなくすというところでお聞きしたかったのが、お茶当番をそもそもなくした意図みたいなところをお聞きしたいですね。

 

矢田部

たぶん、既存のチームでは「お茶当番とか、親のやることがいっぱいだと子どもは集まらないからなくそう」というのが、もともとの考えだと思うんですけど、実際お茶当番なんてなくても、お茶くらい自分で飲めよって、思うんです。

お茶当番をなくした意味の根本的なところが、やっぱり違ってるんじゃないかなって思うんですよね。「子どもたちが集まらないからなくす」ではなくて「お茶ぐらい自分で飲めよ」ですよね。わざわざ注いでもらわなくても飲める。

 

河野

ある意味では、逆に言うとそこで保護者の方が本当に大変になってしまって。子どもがやりたくても、保護者の暗黙の了解というか伝統というか。なんか、「これはやって当然だよね」というのが子どもたちを苦しめているという。

それで保護者に不満が溜まってしまって「もうあのチームは行かない方がいい」みたいなところで競技が続けられなくなるっていうような現状もあるんだろうなと思います。

今話を聞いていて、それが問題点なんだろうなと感じましたが、そこをチームの方針として変えたというところですよね。あと面白いなと思ったのが、練習時間を4分の1にするっていうところで、短時間で集中して練習するのが大切ということなんですかね。

 

矢田部

それももちろんそうですし野球って、朝から夕方までずっとやっているというイメージらしいんですよね。

でも、見学させてもらった春日学園さんも、週末の4分の1ルールで、土曜日午前午後、日曜日午前午後のどこかで4分の1の時間だけ練習するっていうスタイルなんです。

むしろ私、足りないんだろうって思ったんですけど、実際見に行ったら、動きとか、打つ・投げる・走るの技術はそんなに変わらないんですよね。「これ、なんでですか?」って近くにいた保護者のお母さんに聞いたんですよ。「全然練習足りなくないですか?」って。

そしたら、「やっぱり足りないから、自分から平日に練習してる」という答えがかえってきたんです。「週末4分の1しか練習やらないから、もう野球がやりたくてしょうがない。野球に飢えてる状態なんだ」ってことなんですよ。

だから、自分から平日練習もするし、土日の練習、4分の1なんですけど、そこの練習がすごい楽しみでグラウンドにくるんです。

だからそこで集中して練習もできるんで、ずっと土曜日日曜日、朝から晩までやっているチームの子とまったく変わらないということが起きているという話を聞きました。

 

河野

たしかに野球って、地元のチームとかをたまに見ていると朝から晩までやってるなという感じはしていました。

でも、「自主的にやりたい」「練習時間も少ないしもっとやりたいですよ」というその気持ちって、ある意味では時間を少なくすることによって子どもたちの成長マインド(主体的な欲求や内発的な動機)が高まっている状態をつくるところですよね。

コロナ禍で面白いデータがあって、コロナ禍になって陸上選手のタイムが伸びたという話がありました。部活の練習がなくなって個人の練習に切り替わることで、自分に足りないものを補うための自主練習を積んでいった結果、陸上のタイムが例年より速くなったというデータがあるんですよ。

まさに、そこに通じるような話だったんじゃないかなと思います。

 

保護者の負担を減らし子供がスポーツに集中できる環境を

河野

これからどんな風なチームにしたいとかというのをお伺いしたいなと思っています。ここまでで、これまで当たり前だったお茶当番をなくしたり、罵声とかを禁止したり、練習時間の削減によって内発的な動機を高めたり、指導者が学び続けるというチームを作っていこう、というところお話をしてきました。それを踏まえてこれからどんなチームにしていきたいかとか、そういったものをお伺いしていいですか?

 

矢田部

これはもう、あくまで私の主観なんですけど、このチーム理念でチームを起こして3年後、「すごいたくさんこのチームに子どもたちが集まってるけど、なんで?」っていう風になってもらいたいですね。「あ、こういうことをやらないから、いいんだ」とか「こういう指導だからいいんだ、じゃあ自分たちもそれでやろうよ」ということで、子どもたちが野球をやりやすいような環境に引っ張っていく人が周りに増えてくれれば、いいなと思ってるんですよね。
やっぱり、他のチームが減っちゃうということは対戦相手も減ってしまうので、練習相手もいなくなっちゃいますし、この地域はすごく教え方がいいとか、いいイメージの地域になってもらえれば、もっと野球が活性化するのかなと思っているんです。どこまでできるかはわからないですけど、そんな未来があったらいいなと思っています。

 

河野

ある意味では、野球チームのニュースタンダードを作るといいますか、このチームはちょっと他のチームと違うよねというところで、取り組み内容を視察しに来たりだとか、そういったチームを作っていきたいというところですよね。
ちなみに、矢田部さん自身、スポーツ界というか、これからより良いスポーツ環境を作っていくためには、どんなことが必要だと考えていますか?

 

矢田部

やっぱり小学生のうちから、なるべくスポーツをやってほしいと思っています。保護者の方も核家族など多様性を増していて家族状況とかも含めてスポーツをやれない理由が、いろいろあると思うので、お茶当番も、アナウンスの手伝いとかグラウンド取りとかもふくめて、なるべく親御さんの仕事を減らしてあげた方がいいのかなと思います。

例えば、兄弟の片方がずっと野球に行っちゃうと、残された方の子どもも一緒にグラウンドに行かなきゃいけないじゃないですか。


そうなると、そこで宿題をやることになっちゃって、それもかわいそうだなって思うんです。だからなるべく、短時間の活動にして、効率的な指導をするスタイルにして、保護者の方の負担もなるべく減らしてあげられればいいのかなと思っています。

あとは、活動費とかもスポーツをやれない理由の1つにあると思ってはいます。

 

河野

なるほど、スポーツチームって、監督もしくはコーチと子どもたちという、この2つの関係のみにスポットが当てられてしまっていると思っています。

ただ、今の話を聞いてると、保護者というところがすごくカギになっているなと感じて保護者の居心地の良さが作れないと子どもたちがスポーツに集中できなくて、良いチームにならないんだろうなと感じました。

それを踏まえて、矢田部さん自身が保護者の方に対して意識をしているところとかってありますか?

 

矢田部

昔はお茶当番が普通だとかがあたりまえだっていう文化があって「少年野球ってこういうもんなんだな」ってはじめは本当に思ってたんです。

夏場とか、気にしながら親御さんが握ってくるコーチのおにぎりとか。そういった部分も含めて、お母さんたちの負担を減らすってことですかね。

 

参加者

「特にひとり親にとっては、とってもうれしい取り組みですよね、素敵です」

 

後藤

今のに付随するかもしれないんですけど、保護者の方が矢田部さんのエンジョイベースボール春日部のチームに子どもたちを預けて、保護者の方にどういう気持ちになってほしいとか、保護者の方がこういう土日を送れたらいいんじゃないかなみたいなのって、矢田部さんご自身の中で思いがあったりしますか?

 

矢田部

時間があればグラウンドに来て、自分の子どもたちが楽しく野球をやっているところを、他の保護者と一緒にお茶を飲みながら楽しく見ているというのがいいなと思います。

 

河野

そこもやっぱり、矢田部さんが息子さんの影響でまず保護者からコーチを始めた経緯が大きいんだろうなと思いました。私なんかは、まだ全然保護者ではないので、やっぱり監督・コーチっていう目線でしか語れないものがあると思っています。

だから、選手の保護者として活動に参加してコーチに移るという矢田部さん自身の経験が、保護者にもきちんとスポットを当ててあげているようなチーム作りになっているんだろうなと感じて、ここがカギなんじゃないかなとも思いました。

 

子供が主体的に行動するチーム作りを目指して

河野

スポーツ環境を作るために保護者の協力が必要だというところもあったんですが、保護者の方にこういうことは協力してほしいなとか、ある意味では伝統をなくすという部分も含めて新たに作りたい文化とかってありしますか?

今って、どちらかというと今までにあったものを減らすことだと思うんですが、むしろこういう文化をつくりたいっていうのはありますか?

 

矢田部

文化かどうかはわからないんですけど、ひとつやりたいのは、低学年では難しくても5年生6年生になったら、監督がサインを出すんじゃなくて自分たちで試合のときにサインを出すとか、作戦を決めるとか、その試合をやったことによって「これやった方がいいよ」って自分たちで練習メニューを決めるとか、自分たちで自やるというところまでつなげたいなと思います。

 

河野

なるほど、自主的に考えるようなチーム作りですよね。これはすごく大事なことで受け身の選手というチームではなくて、主体的に動いてくチーム作りということですよね。そこに向けてこういうアクション起こしたいというか、こういう教え方をやっていきたいとかってありますか?

 

矢田部

もう、試合になったら子どもたちに全部任せちゃう。こっちは何も言わないっていうことですかね。

 

河野

こっちは何も言わずにこう、ある意味では任せて。作戦とかも全部自分で立てさせて、動かしていくというところですかね。

 

矢田部

そうです。何でもコーチが教えるんじゃなくて、子どもたちが気づいてなるべくやらせられるようにしたいなと思っています。

 

河野

自分がコーチとか監督だとどうしても言いたくなっちゃいますよね。「失敗しないように助けてあげよう」とか、「成功するように助けてあげよう」っていう思いがでてくるというか。ある意味では、それがいい部分もあると思うんですけど、そこをぐっとこらえて取り組むってことですね。

 

後藤

ちなみに、矢田部さんご自身のお考えで大丈夫なんですけど、子どもたちが主体的にスポーツに対して取り組んでいくことの意味をぜひお聞かせください。

 

矢田部

えーと、私が就職した頃というのは。「野球部の人って扱いやすいんだよね。はいはい、とか、わかりました!って言ってくれる」って、社会人になったときに、そう言われた気がするんですけど、今ってちょっと違うじゃないですか。

多様性を求められたりとか、自分で考えて行動するとか解決するとかっていうことが、求められてきてるんじゃないかなと思うんです。

小学校から社会人までの間って、いろんな経験があるのでどうなるかわからないんですけど、そんなことにもつながってるんじゃないかなと思っています。

 

後藤

ある種、社会に出た時にちゃんと自分の力で考える能力とかを、子どものうちから養うということですね、ありがとうございます。

 

河野

まさにそこですよね。会社に入ったら人間関係が嫌になろうが、ずっとそこで我慢してグッとこらえて何かをやりきるっていうような我慢強さとか忍耐強さが大事だった時代から変化して、今は自主的に考えるジョブ型みたいなところにきてると思うんです。

そこれがあったうえで、自主的に考える能力が必要だよねということですよね。「つながる」野球になればいいなっていうところで、成長というのを考えたときに、社会とつながっているかというのがひとつのポイントなんですかね。

 

矢田部

そんなこともつながればいいなと思っています。小学生から中学・高校、大学のなかでいろんな学びがあると思うんですけど「小学校でこんなことやっていたよ」というのが、どこかで役立てばいいのかなとは思います。

 

河野

なるほどな。野球を野球だけで終わらせずに、将来につながればいいなと思いながら、やっているというところですね。ありがとうございます。

最後に、矢田部さんがこの新チームを立ち上げるにあたって「こんなチームを作りたい」「こんな人に集まってほしい」というところで、ちょっと最後にコメントいただければなと思います。

 

矢田部

今年4月に、小学生の女子と男子で新チーム・エンジョイベースボール春日部というチームを立ち上げました。

チーム理念としては、先ほども言いましたように、週末4分の1ルールということで、週末4分の1の活動と、お茶当番や父母会の設立をなしにして、親御さんの負担をミニマムに考えています。

それと、怒声・罵声の指導はしませんということと、コーチは学び続けるということで、いろんな学びの場に行ったり学びの場を設けたりして、アップデートを心掛けて、コーチ陣で運営をしております。

 

空手指導者としての想い~河野翔一氏~
成功体験が結果につながる理由と方法

ゲストプロフィール

矢田部 義行(ヤタベ ヨシユキ)
1969年11月23日生まれ(51歳)
栃木県高根沢町育ち
既婚 息子が二人(いずれも大学生)
==================
■競技歴
小学校5年生から学童チームに入り、夏は野球、冬はサッカーを始めた。
中学、高校(矢板東高等学校)と野球部に所属、いずれもレギュラーにはなれず。社会人では草野球やソフトボールチームに所属。
 
■指導歴
上の息子が地域のスポーツ少年団で野球をはじめ、パパコーチで携わったことがコーチの始まり。
息子卒団後も「やめるなよ」との一言をきっかけに今に至り、今年で14年目。
 
【体験エピソードⅠ】
コーチを始めて小学生の年代の子に野球をどう教えて良いかわからず、既存コーチの真似、強いチームや、結果が出ている指導者の真似をして子供たちに教えていましたが、そのような指導方法にしっくりせず、何をどう教えれば子供たちにとって良いのかもわからず、週末はグラウンドにいました。
 
まずは技術的なことからセミナーに参加、SNSを始めて同じ境遇の方たちと繋がり情報交換をしていました。
 
【体験エピソードⅡ】
そんな中、どうたどり着いたかは覚えていませんがSCIの第一回(表紙の写真に掲載されているイベント)に参加させていただき、名刺交換はしたものの大した経歴もないそこら辺の少年野球指導者がいるには恐縮してしまったのと、あのような場に慣れていなく、小心者のせいもあり集合写真の時間まで居られずに退席してしまいました。
 
今思うとあの写真に写っている方の凄さが改めて感じさせられています。それから、「指導者は学ぶべきもの」と感じさせられ、その後もワークショップに参加させて頂き小林さんをはじめSCIの方に大変お世話になった事と、ワークショップに参加している方々と対話が出来、繋がれたことが大きな財産になっています。
 
【現在の思いと活動内容】
色々な方と会って学んでいくうちに、子供たちに対しての指導方法は「今まででのままでは駄目」と考えさせられ、同じチームの方にも学ぶことを進めてはみたものの賛同を得られず、もやもやしている中つくば市の春日学園代表の話を聞く機会がありチーム見学をさせて頂き今年4月に新チームを立ち上げるに至りました。
 

スポーツコーチ同士の学びの場『ダブル・ゴール・コーチングセッション』

NPO法人スポーツコーチング・イニシアチブではこれまで、長年スポーツコーチの学びの場を提供してきました。この中で、スポーツコーチ同士の対話が持つパワーを目の当たりにし、お互いに学び合うことの素晴らしさを経験しています。

答えの無いスポーツコーチの葛藤について、さまざまな対話を重ねながら現場に持ち帰るヒントを得られる場にしたいと考えています。

主なテーマとしては、子ども・選手の『勝利』と『人間的成長』の両立を目指したダブル・ゴール・コーチングをベースとしながら、さまざまな競技の指導者が集まり対話をしたいと考えています。

開催頻度は毎週開催しておりますので、ご興味がある方は下記ボタンから詳しい内容をチェックしてみてください。

ダブル・ゴール・コーチングに関する書籍

NPO法人スポーツコーチング・イニシアチブでは、子ども・選手の『勝利と人間的成長の両立』を目指したダブル・ゴールの実現に向けて日々活動しています。

このダブル・ゴールという考え方は、米NPO法人Positive Coaching Allianceが提唱しており、アメリカのユーススポーツのスタンダードそのものを変革したとされています。

このダブル・ゴールコーチングの書籍は、日本語で出版されている2冊の本があります。

エッセンシャル版書籍『ダブル・ゴール・コーチングの持つパワー』

序文 フィル・ジャクソン

第1章:コーチとして次の世代に引き継ぐもの

第2章:ダブル・ゴール・コーチ®

第3章:熟達達成のためのELMツリーを用いたコーチング

第4章:熟達達成のためのELMツリー実践ツールキット

第5章:スポーツ選手の感情タンク

第6章:感情タンク実践ツールキット

第7章:スポーツマンシップの先にあるもの:試合への敬意

第8章:試合への敬意の実践ツールキット

第9章:ダブル・ゴール・コーチのためのケーススタディ(10選)

第10章:コーチとして次の世代に引き継ぐものを再考する

本格版書籍『ダブル・ゴール・コーチ(東洋館出版社)』

元ラグビー日本代表主将、廣瀬俊朗氏絶賛! 。勝つことを目指しつつ、スポーツを通じて人生の教訓や健やかな人格形成のために必要なことを教えるために、何をどうすればよいのかを解説する。全米で絶賛されたユーススポーツコーチングの教科書、待望の邦訳!

子どもの頃に始めたスポーツ。大好きだったその競技を、親やコーチの厳しい指導に嫌気がさして辞めてしまう子がいる。あまりにも勝利を優先させるコーチの指導は、ときとして子どもにその競技そのものを嫌いにさせてしまうことがある。それはあまりにも悲しい出来事だ。

一方で、コーチの指導法一つで、スポーツだけでなく人生においても大きな糧になる素晴らしい体験もできる。本書はスポーツのみならず、人生の勝者を育てるためにはどうすればいいのかを詳述した本である。

ユーススポーツにおける課題に関する書籍『スポーツの世界から暴力をなくす30の方法』

バレーが嫌いだったけれど、バレーがなければ成長できなかった。だからこそスポーツを本気で変えたい。暴力暴言なしでも絶対強くなれる。「監督が怒ってはいけない大会」代表理事・益子直美)
ーーーーー
数えきれないほど叩かれました。
集合の際に呼ばれて、みんなの目の前で顔を。
血が出てたんですけれど、監督が殴るのは止まらなかった……
(ヒューマン・ライツ・ウォッチのアンケートから)

・殴る、はたく、蹴る、物でたたく
・過剰な食事の強要、水や食事の制限
・罰としての行き過ぎたトレーニング
・罰としての短髪、坊主頭
・上級生からの暴力·暴言
・性虐待
・暴言

暴力は、一種の指導方法として日本のスポーツ界に深く根付いている。
日本の悪しき危険な慣習をなくし、子どもの権利・安全・健康をまもる社会のしくみ・方法を、子どものスポーツ指導に関わる第一線の執筆陣が提案します。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

クラタ コージローと申します。ライターを中心に、動画編集やメディア運営などを主な活動としているフリーランサーです。1983年生まれ。京都在住で、妻と子供2人の家族4人、日々ワイワイと生活しています。「楽しいと思うこと」にアンテナを向け、感性と人間関係を大切にしながら仕事に励む毎日。活動履歴は、以下のページにまとめていますのでご覧ください。