カヌーとボートの違いやカヌーの種類にはどのようなものがあるのでしょうか。本記事では一般社団法人カヌーホームの尾野藤直樹さんに、カヌーについてとその魅力について紹介していただきました。
「カヌー」と「ボート」の違い
はじめまして。一般社団法人カヌーホームの尾野藤直樹と申します。
皆さんは、「カヌー」と聞いて、どんな映像を思い浮かべるでしょうか。
カヌーを行っている私たちがよく間違われてしまうのは、「ボート」です。
水上スポーツやアクティビティには多様な種目があり、重なり合う面もあるため、厳密に線引きをすることは難しいですが、とても簡単に言うと、「カヌー」はパドルを使用し、艇(てい)を前方に向かってすすめ、「ボート」はオールを使用し、艇を後方に向かってすすめます。
「カヌー」の中にも11種類ある
カヌーの中にも、カヤック、カナディアン、アウトリガー、SUP(サップ)、フリースタイル・・・etc 様々な艇の形状や競技ルールによる種目分けがあります。そのため、カヌーの中でも何がどう違うの、という質問もよく受けます。
大きくは、レジャーカヌーと競技カヌーに分かれ、そのうえで、ICF(国際カヌー連盟)に登録されているカヌー競技はなんと11種目もあります。20人以上の人数で艇をすすめるドラゴンボートや、カヌーに乗りながら行う水球のようなカヌーポロ、水上のロデオと称されるフリースタイルなど、幅広い競技種目があります。
更にその中でオリンピック競技に採用されているのは、カヌースラロームとカヌースプリントの2種目。
スラロームは、前回のリオオリンピックで羽根田卓也選手がアジア人初の銅メダルを獲得し、一躍脚光を浴びました。
激流を下りながら、全身をひねるダイナミックの動きをしながらポイントを通過しタイムを競う、迫力満点の競技。
一方スプリントは、静水面において200~1000mのタイムを競う競技で、今まで日本人選手のオリンピックでのメダル獲得はありません。
Ready Set Goの合図のもと、ゴールに向かって一直線に漕ぎ抜けるとき、感じる風、水、声援などすべてが一体化する瞬間の気持ちよさは何とも言い表せません。
「自然と一体化」する感覚が忘れられない
カヌーホームとしては、先述の11種目を「パドルスポーツ」とくくり、普及強化支援の対象としています。(※便宜的に「カヌー」と呼称します。)そんなカヌーの魅力ですが、カヌーとともに20年以上人生を過ごしてきた今となっては、もはや自分のアイデンティティといっても過言ではありません。
もちろん、マイナースポーツに共通する「新しいことを始める新鮮さがある」「自分の成長が目に見えて感じられる」「高校生や大学生から始めても戦う土俵がある」などそういう魅力はあります。
しかし、カヌーでなくてはならない理由は、どこにあるのでしょうか。
これについては、一つエピソードがあります。
私は、大学を卒業して一度カヌーから離れた時期があります。
一般企業に就職し、カヌーのカの字もない日々を過ごしていたある日、道端の田んぼの水面が風に揺らめいていたのを見た瞬間、ものすごくカヌーが恋しくなりました。カヌーに乗り、水上にいる感覚は陸上で過ごす感覚と大きく違います。
身体に風を受け、その日の空気や水を肌で感じる。全身を使って艇を操り、進める。
自然と一体化するこの感覚こそ、筆舌に尽くしがたい魅力です。
カヌーホームに従事している他のメンバーも、同じようにカヌーから離れられないようです。
「カヌー」の取り巻く環境を変える
カヌーの虜になる人は確実に毎年一定数いるのですが、日本において、大きな課題であるのが、学校の枠組みを卒業すると活動を続けるのが難しいことが挙げられます。
コーチ事情に関しても、プロとして、カヌーのコーチ業で生計を立てる人はほんのわずかです。カヌーというスポーツに携わって生きていく人が極端に少ないのです。
カヌー競技の現状や魅力を多くの方に知っていただくこと、これからのスポーツの在り方を踏まえてカヌー競技の練習・コーチング・ふれあい環境を整えていくことが、私たちカヌーホームの存在意義です。
次回の記事より、カヌー競技との出会いに関する国内事情や海外比較、カヌー競技の競技特性とコーチングに関する基礎について発信しようと思います。
尾野藤直樹
略歴
一般社団法人カヌーホーム 代表理事
日本カヌー連盟ジュニア強化委員長1978年 愛知県高校入学を機にカヌーと出会う
一般社団法人カヌーホーム
1996年 大正大学碧水会カヌー部に入部
2000~2008年 日本代表選手。全日本選手権4連覇
2010~2012年 ナショナルチームコーチ
2013~2015年 ナショナルチームヘッドコーチ
2017年~ 日本カヌー連盟ジュニア強化委員長
2018年 一般社団法人カヌーホームを創設
パドルスポーツの競技普及や強化を支援する目的で、2018年2月1日に設立。
一般社団法人カヌーホームFacebookページ
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NPO法人スポーツコーチング・イニシアチブでは、子ども・選手の『勝利と人間的成長の両立』を目指したダブル・ゴールの実現に向けて日々活動しています。
このダブル・ゴールという考え方は、米NPO法人Positive Coaching Allianceが提唱しており、アメリカのユーススポーツのスタンダードそのものを変革したとされています。
このダブル・ゴールコーチングの書籍は、日本語で出版されている2冊の本があります。
エッセンシャル版書籍『ダブル・ゴール・コーチングの持つパワー』
序文 フィル・ジャクソン
第1章:コーチとして次の世代に引き継ぐもの
第2章:ダブル・ゴール・コーチ®
第3章:熟達達成のためのELMツリーを用いたコーチング
第4章:熟達達成のためのELMツリー実践ツールキット
第5章:スポーツ選手の感情タンク
第6章:感情タンク実践ツールキット
第7章:スポーツマンシップの先にあるもの:試合への敬意
第8章:試合への敬意の実践ツールキット
第9章:ダブル・ゴール・コーチのためのケーススタディ(10選)
第10章:コーチとして次の世代に引き継ぐものを再考する
本格版書籍『ダブル・ゴール・コーチ(東洋館出版社)』
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一方で、コーチの指導法一つで、スポーツだけでなく人生においても大きな糧になる素晴らしい体験もできる。本書はスポーツのみならず、人生の勝者を育てるためにはどうすればいいのかを詳述した本である。
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バレーが嫌いだったけれど、バレーがなければ成長できなかった。だからこそスポーツを本気で変えたい。暴力暴言なしでも絶対強くなれる。「監督が怒ってはいけない大会」代表理事・益子直美)
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数えきれないほど叩かれました。
集合の際に呼ばれて、みんなの目の前で顔を。
血が出てたんですけれど、監督が殴るのは止まらなかった……
(ヒューマン・ライツ・ウォッチのアンケートから)
・殴る、はたく、蹴る、物でたたく
・過剰な食事の強要、水や食事の制限
・罰としての行き過ぎたトレーニング
・罰としての短髪、坊主頭
・上級生からの暴力·暴言
・性虐待
・暴言
暴力は、一種の指導方法として日本のスポーツ界に深く根付いている。
日本の悪しき危険な慣習をなくし、子どもの権利・安全・健康をまもる社会のしくみ・方法を、子どものスポーツ指導に関わる第一線の執筆陣が提案します。
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