ジェンダーとスポーツの現状~女性コーチデベロッパーの最前線レポート~

現在日本のスポーツ指導業界は、伊藤雅充氏(日本体育大学教授)を中心としてコーチデベロッパー育成が取り組まれています。

今回は、筆者がこのコーチングデベロッパーに関連する「女性コーチデベロッパーの最前線」というシンポジウムに参加したので報告します。

本記事では、主にジェンダーとスポーツ・女性コーチの現状について述べます。

コーチデベロッパーとは良い指導者を育てる指導者のこと

コーチデベロッパーとは、良い指導者を育てる指導者のことです。

良い選手を育てるために、良い指導者は欠かせません。しかしながら、良い指導者を育てるための指導者、いわゆるメンターがいる人は少ないのではないでしょうか?

こういった現状を打破するために、コーチデベロッパーの育成システムが出来上がりつつあります。

オリンピック・パラリンピックにおける女性コーチの割合は非常に少ない

オリンピック・パラリンピックにおける女性コーチの占める割合は男性コーチに比べて非常に少ない事がシンポジウムの中で述べられました。

現段階で、オリンピック・パラリンピックに参加する女性アスリートは増加傾向を示しています。女性アスリートが参加し始めた1900年パリオリンピックではわずか2%の参加割合だった女性アスリートはリオオリンピックでは45%もの割合を占めるほどとなりました。

ニューヨーク・アイスレヴェリーで開催されたパラリンピックでは26%を占めていた女性アスリートの参加割合がリオパラリンピックで38%まで参加率が増加しています。

このように過去最高の女性アスリート参加率を示したリオのオリンピック・パラリンピックですが、女性コーチの占める割合は非常に少ないです。

シンポジウムの中で報告された統計データによれば、各地域における女性コーチのオリンピック・パラリンピックにおける活躍は、数パーセントから15%であったことが報告されました。

このようなことから、女性スポーツ界は徐々に前へ進んでいるものの女性スポーツ指導者という観点をみると世界各国では遅れているといえます。

ブラジルの女性サッカー・格闘技における差別は深刻なジェンダー問題を抱えている

ブラジルの女性サッカーにおける差別は深刻なジェンダー問題です。なぜならば、ブラジルが独裁政権だった20年間は一部のスポーツは女性にとって禁止されていたためです。

筆者自身も知らなかったのですが、この一部のスポーツの中にサッカー・格闘技が含まれています。

特にブラジルはサッカー王国であるにもかかわらず、男性だけがサッカーをプレーできて女性がサッカーをすることが禁止されていたというのは明らかな性差別といえるのではないでしょうか。

しかしながら、ブラジルが独裁政権を終え女性がサッカーや格闘技をプレーすることは公に許可されることとなったと登壇者のパウラ・コルカサス氏(ブラジル・カンナビーナス州立大学)は述べましたが、未だに女性サッカープレイヤーが周囲から好まれないということも述べています。

このように、サッカー王国と言われるブラジルのサッカーでさえもジェンダー問題は色濃く残ってしまっているのです。

カナダは女性コーチの育成を積極的に行い始めている

カナダでは、女性コーチの育成を積極的に行い始めています。カナダでは、スポーツ身体運動協会が設立され、そこから女性コーチの育成のための助成金や育成推進を積極的に行っていると登壇者のアンドレア・ウッドバーン氏(カナダ・ラバル大学准教授)は述べていました。

しかしながら、積極的に女性コーチの育成を行っているカナダですら、資格を取得している女性の割合は38.1%で大学レベルの女性コーチは17%、オリンピックレベルでコーチをしている女性の割合はわずか6%に留まってしまっています。

この原因として、スポーツ現場に従事している男性の先入観や社会的偏見が大きく影響しているとアンドレア・ウッドバーン氏は主張していました。

別記事では、男性が女性コーチの協力者としてどういった役割を果たせるのかについて解説しますので併せてご覧ください。

スポーツ現場のジェンダーを解決するためには男性の協力が必要不可欠

スポーツ現場のジェンダーを解決するためには、男性の協力が必要不可欠です。

ジェンダー問題はガラスの天井にぶつかっているとブラジルのパウラ・コルカサス氏は述べました。

このガラスの天井というのは、目に見えない障壁があって先へ進めないという意味です。この表現はブラジルの女性コーチ育成のシンポジウムの中で使われた表現ですが、世界各国・日本においても同じことが言えるのではないでしょうか。

パウラ・コルカサス氏が述べたこととしては、「女性自身がガラスを割る必要がある。女性は能力が無いから排除されているのではなく、女性だから排除されてしまっている。」と述べており、「この社会的排除は個人で解決できるわけではない。」と強く主張しました。

男性として、女性がスポーツに携わる上でどのようなことが出来るのかを考える必要があります。

まとめ

コーチデベロッパーは、良い選手を育てるための指導者のことで、女性コーチにも必要です。

しかし世界各国の現状報告では、女性コーチの数が男性コーチの数に比べ圧倒的に少ない事が報告されました。

例として、ブラジルのサッカーやカナダの女性コーチを挙げましたが、女性アスリート・女性コーチともにジェンダーというガラスの天井にぶつかってしまっています。

これを打破するためには、スポーツ現場に従事する男性の協力が必要不可欠です。

本記事を参考に女性がスポーツに携わるためにどのような事ができるのか考えてみてはいかがでしょうか。

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ABOUTこの記事をかいた人

東海大学体育学部競技スポーツ学科卒(2015) 東海大学大学院体育学研究科修了(2017) 専門はスポーツ心理学で主にメンタルトレーニングの研究と実践に携わる 経歴は、大学生弓道部(5年)中学生野球部(2年) 大学生弓道部は全国ベスト8位3回 16位1回を経験 大学院修了後はフリーランスとしてウェブライター兼メンタルトレーニングアドバイザーとして活動