コーチングは、スポーツ業界を発端とし、様々な場面で使われる言葉になりました。コーチの語源は、「馬車」に由来し選手を目的地まで運ぶ・導くといった意味があります。
このコーチに関する資格にはいくつかの資格があります。本記事ではスポーツ指導者におすすめの資格を紹介します。
スポーツ指導は資格を取った後のスキル向上が最も大切
スポーツコーチングは、資格を取ればそれで終わりというわけではなく、その後のスキル向上が最も大切です。
なぜならば、スポーツコーチングの資格を持っていたとしても、能力がなければ現場の選手の信頼を失うこともあるからです。
コーチングスキルの向上という点においては、「指導者は五者であれ」という言葉があります。内容は下記のような内容です。
- 指導者は学者であれ
- 指導者は役者であれ
- 指導者は易者であれ
- 指導者は芸者であれ
- 指導者は医者であれ
詳しい内容に関しては、こちらの記事を参考にしてください。
このような考え方は、コーチング哲学と呼ばれ資格取得だけではなく、スポーツ現場でのコーチングを通して指導者としての考え方を養う必要があります。
「我々は学ぶ事をやめたときに、教える事をやめなければならない(ロジェ・ルメール)」という言葉があるように、自分自身の資質向上は常に図るべきです。
スポーツコーチの資格は公認スポーツ指導者が最も一般的
スポーツ指導者の資格は、公認スポーツ指導者が最も一般的です。なぜならば、日本スポーツ協会(旧日本体育協会)が認定している資格だからです。
加えて、サッカーなどはライセンスがなければベンチに入る事が出来ないといったケースもあります。公認スポーツ指導者は、各競技ごとに資格が分かれています。
例えば、サッカーであれば、「JFA公認C級サッカーコーチ」、バスケットボールであれば、「JBA公認C級コーチ」といった資格があります。認定スポーツ指導者の資格を取得する上では、講座を受講し各競技における理論から実践までを学びます。
受講内容では、競技の技術における理論だけではなく、体力面のトレーニング方法や心理学について学ぶ競技もあります。公認スポーツ指導者の資格は、その競技におけるスポーツ指導に特化した資格であるため、専門性が非常に高い資格です。
資格取得の申し込み方法は各競技団体によって異なるため、公益財団法人日本スポーツ協会のページを参照してください。
公認スポーツ指導者のカリキュラムは「すべてのコーチがグッドコーチになること」が目的
公認スポーツ指導者のカリキュラムは、コーチ育成のための「モデル・コア・カリキュラム」に基づき組まれています。
このモデル・コア・カリキュラムでは、全てのコーチがグッドコーチになることを目的としており、このカリキュラムのスタンダードを修了した者に対しては、適切な処遇をすることとしています1)。
このカリキュラムは、従来の日本体育協会(現日本スポーツ協会)が定めたカリキュラム内容とは異なります。
このモデル・コア・カリキュラムとアメリカのユーススポーツのスタンダードを変えた米NPO法人Posotive Coaching Allianceにおけるカリキュラムの違いについては、人間力の内容と、現場実習の時間に違いがあります。
その他のコーチングに関する資格では、スポーツ現場での実習の時間はありません。しかしながら、日本スポーツ協会の定めたカリキュラムでは、スポーツ現場の実習もあるため、スポーツ指導者には欠かせません。
まとめ
コーチングに関する資格は、持っているだけではなく、取得する前あるいは取得後の訓練が非常に重要です。
なぜならば、資格だけ持っていたとしても技量がなければ現場の選手には信頼されないからです。資格取得を目指すためには、自らのコーチングスキル向上の一環として捉えたほうがよいです。
公認スポーツ指導者は、スポーツ指導に特化した資格で、専門性も高いです。スポーツのコーチをする上では、欠かせない資格です。
また、現在の日本スポーツ協会の定めた公認スポーツ指導者のカリキュラムは、モデル・コア・カリキュラムに基づき作成されているため、スポーツ指導において役に立つ資格です。
本記事を参考にアスリートへのコーチングに役立つ勉強をしてみてはいかがでしょうか。
引用参考文献
公益財団法人日本体育協会(2015).コーチ育成のための「モデル・コア・カリキュラム」作成事業報告書
スポーツコーチ同士の学びの場『ダブル・ゴール・コーチングセッション』
NPO法人スポーツコーチング・イニシアチブではこれまで、長年スポーツコーチの学びの場を提供してきました。この中で、スポーツコーチ同士の対話が持つパワーを目の当たりにし、お互いに学び合うことの素晴らしさを経験しています。
答えの無いスポーツコーチの葛藤について、さまざまな対話を重ねながら現場に持ち帰るヒントを得られる場にしたいと考えています。
主なテーマとしては、子ども・選手の『勝利』と『人間的成長』の両立を目指したダブル・ゴール・コーチングをベースとしながら、さまざまな競技の指導者が集まり対話をしたいと考えています。
開催頻度は毎週開催しておりますので、ご興味がある方は下記ボタンから詳しい内容をチェックしてみてください。
ダブル・ゴール・コーチングに関する書籍
NPO法人スポーツコーチング・イニシアチブでは、子ども・選手の『勝利と人間的成長の両立』を目指したダブル・ゴールの実現に向けて日々活動しています。
このダブル・ゴールという考え方は、米NPO法人Positive Coaching Allianceが提唱しており、アメリカのユーススポーツのスタンダードそのものを変革したとされています。
このダブル・ゴールコーチングの書籍は、日本語で出版されている2冊の本があります。
エッセンシャル版書籍『ダブル・ゴール・コーチングの持つパワー』
序文 フィル・ジャクソン
第1章:コーチとして次の世代に引き継ぐもの
第2章:ダブル・ゴール・コーチ®
第3章:熟達達成のためのELMツリーを用いたコーチング
第4章:熟達達成のためのELMツリー実践ツールキット
第5章:スポーツ選手の感情タンク
第6章:感情タンク実践ツールキット
第7章:スポーツマンシップの先にあるもの:試合への敬意
第8章:試合への敬意の実践ツールキット
第9章:ダブル・ゴール・コーチのためのケーススタディ(10選)
第10章:コーチとして次の世代に引き継ぐものを再考する
本格版書籍『ダブル・ゴール・コーチ(東洋館出版社)』
元ラグビー日本代表主将、廣瀬俊朗氏絶賛! 。勝つことを目指しつつ、スポーツを通じて人生の教訓や健やかな人格形成のために必要なことを教えるために、何をどうすればよいのかを解説する。全米で絶賛されたユーススポーツコーチングの教科書、待望の邦訳!
子どもの頃に始めたスポーツ。大好きだったその競技を、親やコーチの厳しい指導に嫌気がさして辞めてしまう子がいる。あまりにも勝利を優先させるコーチの指導は、ときとして子どもにその競技そのものを嫌いにさせてしまうことがある。それはあまりにも悲しい出来事だ。
一方で、コーチの指導法一つで、スポーツだけでなく人生においても大きな糧になる素晴らしい体験もできる。本書はスポーツのみならず、人生の勝者を育てるためにはどうすればいいのかを詳述した本である。
ユーススポーツにおける課題に関する書籍『スポーツの世界から暴力をなくす30の方法』
バレーが嫌いだったけれど、バレーがなければ成長できなかった。だからこそスポーツを本気で変えたい。暴力暴言なしでも絶対強くなれる。「監督が怒ってはいけない大会」代表理事・益子直美)
ーーーーー
数えきれないほど叩かれました。
集合の際に呼ばれて、みんなの目の前で顔を。
血が出てたんですけれど、監督が殴るのは止まらなかった……
(ヒューマン・ライツ・ウォッチのアンケートから)
・殴る、はたく、蹴る、物でたたく
・過剰な食事の強要、水や食事の制限
・罰としての行き過ぎたトレーニング
・罰としての短髪、坊主頭
・上級生からの暴力·暴言
・性虐待
・暴言
暴力は、一種の指導方法として日本のスポーツ界に深く根付いている。
日本の悪しき危険な慣習をなくし、子どもの権利・安全・健康をまもる社会のしくみ・方法を、子どものスポーツ指導に関わる第一線の執筆陣が提案します。
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