「ティーチングとコーチング」現代のスポーツ現場で求められる選手の指導

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ティーチングとコーチングの違いは「答えを教える」「答えを自分で見つけ出すように導く」事にあります。

スポーツ現場の指導では、コーチがティーチングを行う場面が多く見受けられます。ティーチングは確かに重要ですが、コーチングのあり方とは少し異なります。本記事では、コーチングとティーチングの違いと求められるスポーツ現場での指導について解説します。

コーチングとティーチングの違いはコミュニケーションの方向性にある

コーチングとティーチングはコミュニケーションの方向性という点において異なります。コーチングでは選手自身に答えを出してもらうように導くことを重要視します。

一方でティーチングは、答えを教える事を指します。選手の課題を見つけた時に、それに対する答えを教えるのはティーチングです。

一方で選手の課題を発見した時に、選手の話を傾聴し発問をしながら選手に答えを導き出してもらうのがコーチングです。つまり、ティーチングはコーチから選手に教え込む事に対してコーチングは答えを引き出す作業であり、コミュニケーションの方向性が異なります。

スポーツ現場におけるコーチングとティーチングの使い分け

スポーツ現場では、コーチングとティーチングの使い分けが非常に重要です。

なぜならば、選手のスポーツにおける知識の有無によって、コーチングが効果的な場合とティーチングが効果的な場合があるためです。コーチングのメリットとしては、「能力を最大限引き出すために適切な行動を自らとるように促すことにある」1)ことです。

コーチングを行うことによって選手を同じように育てるのではなく多様な選手の育成につながります。しかしながら、競技に対する知識や体育学領域に基づいた知識が少ない場合には、ティーチングを行う必要もあります。つまりスポーツ現場においては、「使い分け」が重要になります。

現代のスポーツ指導で求められる選手育成

現代のスポーツ現場ではコーチングとティーチングの使い分けが求められるでしょう。なぜならば、能力の高い選手と低い選手が必ず存在するためです。

能力が高い選手は、自分を高めるコーチングが効果的ですし能力が低い選手にはある程度知識を与えるティーチングは必要です。コーチングとティーチングをスポーツ現場で使い分ける場合には、ミーティングなどをうまく活用するとよいでしょう。

ティーチングはミーティングで行う

ティーチングは選手に対して知識をインプットする作業です。そのためミーティングなどの場をうまく活用することは有効な方法です。

知識や情報の提供は選手にとって非常に重要です。 最低限の知識の教育・共有すべき情報の提供は、全員に対してティーチングすることによって選手の基準の底上げにつながるからです。

このように、ティーチングを行う場合には知識をインプットする作業であるためミーティングをうまく活用するとよいでしょう。

スポーツ現場ではコーチングを実践しましょう

ミーティングで知識の教育や情報の提供を行い、スポーツ現場でコーチングによるアプローチを行うことで、選手のパフォーマンスは効率的に高くなるでしょう。

ティーチングをして能力の低い選手に対して最低限の知識と情報をインプットしてもらっていれば、自発的な行動を起こすきっかけにもなります。スポーツコーチングでは、ティーチングで選手に教えた知識と実際の経験をすり合わせるようにコーチが選手の気づきを引き出してあげることが重要です。

つまり、ティーチングとコーチングを使い分ける事によって、効果的なスポーツ指導を行うことができるのです。

コーチングを実践する上では、NPO法人スポーツコーチング・イニシアチブが普及を進めるスポーツでも人生でも勝者となるコーチングメソッド「ダブル・ゴール・コーチング」はとても効果的です。

ダブル・ゴール・コーチングはアメリカのユーススポーツの新たなスタンダードとなっていて、ダブル・ゴール・コーチングのワークショップを受けていることが当たり前になっています。

まとめ

ティーチングとコーチングの違いは、「答えを教える」「答えを導く」の部分にあります。

つまり、コミュニケーションの方向がコーチから選手へ向かうのがティーチングであるのに対してコミュニケーションの方向が選手からコーチにあるのがコーチングです。

スポーツ現場では、このティーチングとコーチングの使い分けが非常に重要です。なぜならば、ティーチングが必要な選手とコーチングの方が効果のある選手が混在しているためです。

スポーツ現場で求められるコーチングとティーチングの使い分けとしては、ミーティングなどを上手く活用し意識的に使い分けると良いでしょう。

例えば、ミーティングでは、ティーチングを使いやすく、コーチングを活用する場合にはスポーツ現場での指導が良いでしょう。

本記事を参考にティーチングとコーチングを使い分けてみてはいかがでしょうか。

引用文献

菅原秀幸(2013).大学生の主体性・能動性を引き出すアカデミック・コーチングへの挑戦 支援対話研究,1:49-57.

スポーツコーチ同士の学びの場『ダブル・ゴール・コーチングセッション』

NPO法人スポーツコーチング・イニシアチブではこれまで、長年スポーツコーチの学びの場を提供してきました。この中で、スポーツコーチ同士の対話が持つパワーを目の当たりにし、お互いに学び合うことの素晴らしさを経験しています。

答えの無いスポーツコーチの葛藤について、さまざまな対話を重ねながら現場に持ち帰るヒントを得られる場にしたいと考えています。

主なテーマとしては、子ども・選手の『勝利』と『人間的成長』の両立を目指したダブル・ゴール・コーチングをベースとしながら、さまざまな競技の指導者が集まり対話をしたいと考えています。

開催頻度は毎週開催しておりますので、ご興味がある方は下記ボタンから詳しい内容をチェックしてみてください。

ダブル・ゴール・コーチングに関する書籍

NPO法人スポーツコーチング・イニシアチブでは、子ども・選手の『勝利と人間的成長の両立』を目指したダブル・ゴールの実現に向けて日々活動しています。

このダブル・ゴールという考え方は、米NPO法人Positive Coaching Allianceが提唱しており、アメリカのユーススポーツのスタンダードそのものを変革したとされています。

このダブル・ゴールコーチングの書籍は、日本語で出版されている2冊の本があります。

エッセンシャル版書籍『ダブル・ゴール・コーチングの持つパワー』

序文 フィル・ジャクソン

第1章:コーチとして次の世代に引き継ぐもの

第2章:ダブル・ゴール・コーチ®

第3章:熟達達成のためのELMツリーを用いたコーチング

第4章:熟達達成のためのELMツリー実践ツールキット

第5章:スポーツ選手の感情タンク

第6章:感情タンク実践ツールキット

第7章:スポーツマンシップの先にあるもの:試合への敬意

第8章:試合への敬意の実践ツールキット

第9章:ダブル・ゴール・コーチのためのケーススタディ(10選)

第10章:コーチとして次の世代に引き継ぐものを再考する

本格版書籍『ダブル・ゴール・コーチ(東洋館出版社)』

元ラグビー日本代表主将、廣瀬俊朗氏絶賛! 。勝つことを目指しつつ、スポーツを通じて人生の教訓や健やかな人格形成のために必要なことを教えるために、何をどうすればよいのかを解説する。全米で絶賛されたユーススポーツコーチングの教科書、待望の邦訳!

子どもの頃に始めたスポーツ。大好きだったその競技を、親やコーチの厳しい指導に嫌気がさして辞めてしまう子がいる。あまりにも勝利を優先させるコーチの指導は、ときとして子どもにその競技そのものを嫌いにさせてしまうことがある。それはあまりにも悲しい出来事だ。

一方で、コーチの指導法一つで、スポーツだけでなく人生においても大きな糧になる素晴らしい体験もできる。本書はスポーツのみならず、人生の勝者を育てるためにはどうすればいいのかを詳述した本である。

ユーススポーツにおける課題に関する書籍『スポーツの世界から暴力をなくす30の方法』

バレーが嫌いだったけれど、バレーがなければ成長できなかった。だからこそスポーツを本気で変えたい。暴力暴言なしでも絶対強くなれる。「監督が怒ってはいけない大会」代表理事・益子直美)
ーーーーー
数えきれないほど叩かれました。
集合の際に呼ばれて、みんなの目の前で顔を。
血が出てたんですけれど、監督が殴るのは止まらなかった……
(ヒューマン・ライツ・ウォッチのアンケートから)

・殴る、はたく、蹴る、物でたたく
・過剰な食事の強要、水や食事の制限
・罰としての行き過ぎたトレーニング
・罰としての短髪、坊主頭
・上級生からの暴力·暴言
・性虐待
・暴言

暴力は、一種の指導方法として日本のスポーツ界に深く根付いている。
日本の悪しき危険な慣習をなくし、子どもの権利・安全・健康をまもる社会のしくみ・方法を、子どものスポーツ指導に関わる第一線の執筆陣が提案します。

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スポーツコーチング・イニシアチブ

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