カヌースポーツのポテンシャル~自然を楽しもう~(一般社団法人カヌーホーム 尾野藤直樹さん)

これまで3回にわたって、カヌーのことをお話してきました。ですが、皆さんの中で実際にカヌーに乗ったことがあるという方はどのくらいいるでしょう。修学旅行やキャンプ先などで、一度は体験をしたことがあるという方が多いのではないでしょうか。

では、今まで「カヌー」とWeb検索をしたことはありますか?そんな皆さんにお伝えしたいこと。それは、カヌーの世界は縦にも横にも広く、誰もが自分に合った形で楽しむことができるスポーツだ、ということです。

■どこでも、カヌー

カヌーの多様性というと、たとえば、まずは場所。川、海、湖、池 など、人間とは……切っても切れない水辺が、活動場所になります。日常の喧騒からすこし離れて、自然を感じることができます。

次に、人数。1人乗り、2人乗り、4人乗り 更には ……22人もの人数で漕ぐタイプのカヌーもあり、個人の趣味にするもよし、チームで成しとげる達成感を目指すもよし。様々な人と交流ができます。さらには、競技やレジャーの幅広さ。静水面を進む競技もあれば、激流を下るポイント制の競技、あるいはゴールの得点を競う球技もあります.

また、障害者の方にも、パラカヌーに乗るという選択肢があります。趣味としてカヌーを楽しむのであれば、カヌーに乗って、釣りを楽しんだり、野鳥を観察したり、絶景を見る旅に出かけることもできます。

■カヌーが多様に発展してきたワケ

カヌーがそれぞれに枝分かれして発展してきたのも、考えてみればごく自然なことで、人間は川や海の近辺に集落を築いてきたことが多く、私たちは水によりそって生きてきました。

カヌーは、移動や運搬の手段として発展していく中で、例えば海では波に乗りやすい形状、激流下りでは小回りが利くサイズ感、など、自然環境に合わせて、艇の形も、カヌーの楽しみ方も発展してきました。祭事の競り船といった目的で人々の生活を彩るものになっていったカヌーもありました。

現在に至っては、動力船や様々なテクノロジーの発展に伴い、日常生活からは少し遠ざかってしまったかもしれませんが、カヌーが発展してきた中で、「自然」というキーワードは重要な要素でした。

そして、昨今のレジャーブームやSNS映えブームの中で、SUP( 1)やフリースタイルカヤック(※※2)が注目を集めています。

※1Stand Up Paddlingのことで、ボードの上に立ち、パドルを使って漕ぐ種目

※2 激流の波のポイントの上で、技を披露しポイントを競う種目

■多様なカヌーに共通する身体性

カヌーがそれぞれに枝分かれしている一方で、どの種目にも共通しているのは、「パドル」と「艇」を使って、自身の「身体」を思う方向へ動かすという点です。つまり、道具と道具を介して、自分の身体を動かす必要があります。そうなると、自身の身体を動かすことに制限が加わり、思った通りに動くためには、高度なテクニックが必要です。

さらに自然の中で漕ぐということは、波や風の影響 も直に受けるので、陸上では味わえない難しさ、面 白さがあります。パドルと艇を使って、自然に反応 する身体感覚も感じることができるでしょう。

このように、自然の中で、動力を使わず、自身の身体性を感じながら活動をすることが、カヌーに共通した魅力であり、競技として向上心を持って 取り組む人の 心も、レジャーとして 熱中している方の心も掴まれているのです。競技の面での応用 として、道具と道具に挟まれているという点を生かして、カヌー種目間でのクロストレーニングや、スキー競技のトレーニングに発展させることができます。

実際に重心移動や 軸意識 を持つために夏はカヌー、冬はクロスカントリースキーを実施しているチームもあります。

■カヌーが見せてくれる世界

カヌーに取り組むと、水上散歩 を楽しむ、あるいは体力を鍛えて、技術力を 鍛えて、チームプレーを磨いて、競技に打ち込むことができます。様々な進歩発展によって、現代は、自然のなかで身体性を存分に発 揮するという体験が少なくなってきたかもしれません。

そんなとき、カヌーが、皆さんにそんな世界を見せてくれるきっかけになるかもしれません。ぜひ 、「カヌー」と検索してみてください。

カヌーホームでも各地 の情報 発信を行っていますし、レジャーのカヌー体験ができる場所がいくつも見つかることでしょう。そのときには、それぞれの水辺の航行ルールやマナ ーがあるため、各都 道府県 の市町村 やカヌー 協会 などが 推奨 するルールやマナ ーは 適切に 守っていただき、カヌーを楽しんでくださいね

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