【それでもなお#2】サッカーをすべての女の子に~地位貢献イベント主催による地域女子サッカー文化の醸成・発展~

皆さまこんにちは!
FC HERMANA(NPO法人スポーツカントリーアンビスタ)の石尾です。

今回は連載第2弾、「地位貢献イベント主催による地域女子サッカー文化の醸成・発展」についてお話をさせていただきます。
こちらのページをご覧くださっている皆さまにとって、少しでも有益な情報をお届けできれば嬉しいです!

さて、前回の記事でエルマナがどのような改革を断行していったかをハイライトでご紹介させていただきましたが、今回のメインテーマは『④接点の創出(イベント企画)』の部分です。

簡単に言えば、「どうやってメンバーを増やしたか」です。

地域密着の女子サッカー文化(環境)をつくる

壮大なビジョンの実現に向けたスタートはいきなり大きな壁にぶつかります。

まずはマーケティングから始めましたが、調査やインタビューをすればするほど見えてきた地域女子サッカーの「リアル」。

私はそれを以下の3つの切り口から可視化していきました。

3つの数字が表す荒川区の女子サッカー

1st number
100人に1人だけ
「荒川区の女子小学生のうち、女子サッカークラブに所属している人の割合」

2nd number
3チーム
「荒川区内にある女子小学生専門のサッカークラブ数」

3rd number
200人に1人だけ
「荒川区の女子中学生のうち、女子サッカークラブに所属している人数の割合」

(今思えば当然すぎるのですが)つまり、どんなに頑張ってサッカーを始めてみたい女の子(マーケット)を探しても、そもそも欲求(ニーズ)が「ない」ということに、このとき初めて気づいたのです。

ならどうするか。

マーケットを自ら「つくる・うみだす」しかない。

少し抽象的な表現が続いたので言い方を変えると、会員を増やすために私たちが力を注ぐべきことは、「サッカーが好き(=すでにやっている)な女の子」が続ける場をつくることよりも、「まだサッカーというスポーツの魅力・感動・喜びに触れたことがない女の子」にその機会・キッカケをつくることだったのです。

それは途方もないチャレンジのようであり、一方、それに成功すれば他の追随を許さない圧倒的な「一強」になれる可能性がありました。

その一つの答えとして見出したのが、JFAが推奨している地域女子サッカー普及事業である『JFAなでしこひろば』でした。

FC HERMANAは2016年3月に公認団体へと承認されました。

その効果は大きく分けて以下の2つがありました。

①広報活動での信頼獲得
②パートナー(ファン)の獲得

まず①の信頼については、保育園・幼稚園・小学校・商店街等にチラシ掲示や配布をする際に「JFA公認」をロゴとともに使用できるだけで、受け入れられ方がまったく違いました。

それまではイベントを企画しても門前払いとなっていた場所でも、NPO法人格とJFA公認運営団体という2つの武器でガードを突破し、第10回の開催を迎える際には、お隣の足立区の全小学校で配布される地域広報誌のようなものの1コーナーを飾らせていただきました。

続いて②です。

公認後にエルマナの運営母体のNPO法人でクラウドファンディングに挑戦し、JFAなでしこひろば運営資金として約50万円の支援金を得ることに成功。
その資金を元手に、法人ロゴが入った未就学児用サッカーボールを工場に直接交渉して製造し、イベントに参加してくれた未就学児に無料プレゼント。
第5回からは近隣の私立大学と特別な契約を締結して、非常にキレイな人工芝グラウンドでイベントを開催。

節目節目では、つくばFCレディースのプロ選手や世界大会で入賞経験もあるフリースタイルフットボーラーにゲスト参加してもらったりしました。
そのかいあって、2016年11月には「日本最大規模のJFAなでしこひろば」として、JFA公式サイトのトップページにも掲載して頂くことができました。

そんなイベントを以下のような方に向けて発信し続けました。

「年齢・経験はまったく問わず、女性は全員参加無料!」
「サッカーに興味があるけど男子のなかに入るのはちょっとこわい」
「普段は男子とサッカーをやってるけど、女子だけでもサッカーを楽しみたい」
「昔サッカーをやっていたけど、大人になってからやる機会がめっきりなくなった」
「子どもがサッカーをやってるけど、自分はやったことがないから気持ちをわかってあげられない」

そんなコンセプトで、2016年度の1年間で合計10回開催しました。

さらに重要なポイントとして、毎回のイベント運営にはU-15ジュニアユースの選手を総動員。
受付から誘導、グランド設営、物品準備、練習相手やお守りまで、指導を除いてすべての運営を中学生が行う仕組みをつくりました。
この取り組みはU-15の選手たちにとってクラブに在籍する誇りやリーダシップ、サッカーの魅力の再認識、他者への思いやりの心を育む、などなど様々な効果がありました(詳細別連載にて)。

そうして、荒川区唯一の女子サッカークラブFC HERMANAの認知度が向上するだけでなく、「お姉ちゃんとまたサッカーしたい!私もサッカー上手になりたい!」というキラキラとした憧れが生まれ始めました。

そしてさらに、保護者様からの印象も少しずつ変わり始めたのです。

地域の習い事としては圧倒的にマイナーで、危険なケガをする、皮膚が傷つく、太い筋肉がつく、というネガティブなイメージが先行していた女子サッカーに対して「うちの娘にもあんな風に温かくて、柔らかくて、素敵な笑顔ができる女性になってほしい・・・」という価値がじわりじわりと・・・

こうして私たちは、まだそこになかった「女子の習い事としてのサッカー」というマーケットを創り出すことに成功したのです。

もちろん、イベント参加者の受け皿として、FC HERMANA U-12ガールズクラス/キッズクラスを創設し、「もし本格的に習いたいと思った方は、ぜひ一度練習体験にお越しください」というご案内も開始しました。

そんな種まきが少しずつ芽を出し、2018年7月現在は女子だけで70名を越える規模にまでクラブが急速に発展してきたのです。

こんな規模にはなりましたが、実は今も在籍者の半数以上がエルマナでサッカーを始めた未経験者。
それでも「選手の伸びしろNo.1クラブ」として関東大会にだって出場しちゃうぜ、というのが私たちの育成ポリシーです。

いかがだったでしょうか?
私たちの取り組みが少しでもなにかの参考になっていたら幸いです。

次回はNPO法人格を取得するメリットについて詳しくお伝えします!

最後までお読みいただき、ありがとうございました!!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。